家庭裁判所の検認とは
家庭裁判所の遺言の検認とは
公正証書遺言以外の遺言(自筆証書遺言を含む6種類の遺言)は、遺言者の死後に
家庭裁判所の検認を受けなければ、法的効力は発生しません。
家庭裁判所の遺言の検認とは、遺言が法律(民法)に従って作成されているか
チェックをすることです。
当事務所がお薦めする「自筆証書遺言」の場合の検認の説明を致します。
民法第968条に自筆証書遺言の要件がでています。
民法第968条
1. 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
2. 自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。
家庭裁判所は遺言が第968条に合致しているか調査します。
1) 遺言の全文、日付、及び氏名を遺言者が自筆しているか調査します。
2) 日付が正確に書かれているか調査します。
→ 平成20年1月1日のように正確に書かれているかチェックします。
平成20年1月吉日のような書き方だと遺言そのものが無効となります。
3) 本人の印鑑が押印されているか調査します。
認印でも良いとされていますが、実印を押印されることをお薦めします。
その理由は、
押印された認印が遺言者の認印か証明を求められた時に証明する必要があります。
拇印が本人の拇印であることの証明を求められた時に証明するのは困難です。
実印の場合は、印鑑証明を提出すれば本人が押印した証明ができます。
以上が家庭裁判所の検認です。検認が終了すると遺言書に検認済証明書が添付されます。
遺言の文章や内容には家庭裁判所は一切関知しません。
法律に従って本人が自筆にて作成し押印したもので、他人が偽造したものでないと家庭裁判所が認めれば自筆証書遺言の検認は終了します。
注:第968条2項に遺言の文字の訂正や付け加え(加除)ができるとしていますが
文字の訂正や付け加えをする必要がある場合は、加除をせず遺言そのものを一から
書直すことをお薦めします。
家庭裁判所への主な提出物
1)検認申立書
2)遺言者の出生から死亡時までのすべての戸籍謄本
3)相続人リスト(相続人の氏名・住所・電話番号・遺言者との続柄をリストにしたもの)
4)相続人全員の戸籍謄本
5)遺言書
6)その他、ケースバイケースで家庭裁判所が指定する書類等
注:遺言が封筒に入って封印されている場合は、家庭裁判所以外に開封する権限はありません。
絶対に開封せずに家庭裁判所に提出して下さい。