配偶者居住権の計算方法
配偶者居住権が設定された場合に、配偶者は居住権の対価(金額)を相続したことになります。
では所有権を相続した人の所有権の額は、下記の計算式で算出します。。
所有権の額 = 建物の相続財産額 ― 配偶者居住権の額
<例>
建物も価値が1.000万円とします。
配偶者居住権が500万円の時は、所有権は500万円となります。
配偶者には、手厚い相続税免除の規定がありますので、相続税対策にもなります。
配偶者居住権の計算方法
建物の相続税評価額 X (残存耐用年数 ― 配偶者の平均余命) ÷ 残存耐用年数
X 配偶者の平均余命に応じた民法の法定利率による複利現価率 = 配偶者居住権の額
聞きなれない言葉が出てきました。一つずつ解説していきます。
建物の相続税評価額とは
固定資産税評価額のことです。
毎年春に届く固定資産税の支払い通知書に「評価額」又は「価格」と書いてある金額
残存耐用年数とは
下記の耐用年数から築年数を引いた年数を残存耐用年数と言います。
耐用年数 = 法定耐用年数 X 1.5
建 物 構 造 耐用年数
鉄骨(鉄筋)コンクリート造 : 71年
レンガ造・石造・ブロック造 : 57年
軽量鉄骨造(骨格材肉厚4mm超) : 51年
軽量鉄骨造(骨格材肉厚3mm超4mm以下) : 41年
木造又は合成樹脂造 : 33年
木骨モルタル造 : 30年
金属造(骨格材肉厚3mm以下 : 29年
配偶者の平均余命とは
厚生労働省が5年に一度発表する各年齢の平均余命のことです。
下記厚生労働省の資料で、相続開始時の配偶者の年齢の平均余命が解ります。
2022年度男性の平均余命はこちらをクリック
2022年度女性の平均余命はこちらをクリック
配偶者の平均余命に応じた民法の法定利率による複利原価率とは
民法が定めた法定利率(3年に1度改正)を基に、配偶者の平均余命に対する複利原価率を計算します。
下記の表は2022年法定利率3%(3年に1度改正)で計算された数字です。
配偶者の平均余命が20年であれば、複利原価率は0.554となります。
年 : 複利原価率
01 : 0.971
02 : 0.943
03 : 0.915
04 : 0.888
05 : 0.863
06 : 0.837
07 : 0.813
08 : 0.789
09 : 0.766
10 : 0.744
11 : 0.722
12 : 0.701
13 : 0.681
14 : 0.661
15 : 0.642
16 : 0.623
17 : 0.605
18 : 0.587
19 : 0.57
20 : 0.554
21 : 0.538
22 : 0.522
23 : 15
24 : 16
25 : 17
26 : 0.464
27 : 0.45
28 : 0.437
29 : 0.424
30 : 0.412
31 : 0.4
32 : 0.388
33 : 0.377
34 : 0.366
35 : 0.355
36 : 0.345
37 : 0.335
38 : 0.325
39 : 0.316
40 : 0.307
41 : 0.298
42 : 0.289
43 : 0.281
44 : 0.272
45 : 0.264
46 : 0.257
47 : 0.249
48 : 0.242
49 : 0.235
50 : 0.228
以上で言葉の説明を終わります。
<例>
建物の相続税評価額 : 1.000円
残存耐用年数 : 40年
配偶者の平均余命 : 20年
配偶者の平均余命に応じた民法の法定利率による複利現価率 : 0.554
1.000万円 X (40年 ー 20年) ÷ 40年 X 0.554 = 277万円
227万円が配偶者居住権の額となり、1.000万円から配偶者居住権の額を引いた773万円が所有権の相続額となります。
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